アクアフィリングについて
アクアフィリング豊胸術の危険性
話題となっているアクアフィリング(Aquafilling®)豊胸術は98%の水と2%のコポリアミドで構成され、乳房の増大や形を自然な感触で整えることが出来る新しい豊胸術として人気がありました。しかし、共立美容外科仙台院ではアクアフィリングを導入しておりません。理由は成分の安全性が証明されていなかったからです。
この程、韓国美容外科学会(Korean Academic Society of Aesthetic and Reconstructive Breast Surgeons)からアクアフィリングの危険性に関する声明が発せられました。これによると、韓国食品医薬品安全庁(KFDA)に提出された文書によれば、アクアフィリングの正確な構成成分は2%のアクリルアミド/N,N’-メチレンビスアクリルアミド共重合体及び98%の生理食塩水であり、昔は頻繁に使用されたものの慢性炎症や皮膚腫瘍形成などの副作用が問題となったポリアクリルアミドゲル(PAAG)などの注入剤とは異なると説明されているが、実際はPAAGそのものであり、安全性の検証が十分ではないとし、豊胸手術におけるアクアフィリングの使用について警告を発しています。
アクアフィリング販売元国の韓国において、その危険性を指摘されています。今後も共立美容外科仙台院では安全性の証明がなされない限り、アクアフィリングの取扱は行いません。
韓国美容外科学会の声明文(全文)
豊胸手術におけるAquafilling®(アクフィリング)の使用に関する Korean Academic Society of Aesthetic and Reconstructive Breast Surgeryの見解
Archives of Aesthetic Plastic Surgery誌 2015年 10月号に掲載された 論文「 Correcting shape and size using temporary filler after breast augmentation with silicone implantsシリコーンイプ ラントによる豊胸術後の充填剤一時的注入による形状及び大きさ修正)」 後の充填剤一時的注入による形状及び大きさ修正)」 [1]において、 Shin et al.は「Aquafilling®はインプラト よる 胸術後の軽微な問題を修正するための新たな選択肢である」と述べている 。
同論文では 、Aquafilling®が98%の水と2%のコポリアミドで構成されていると説明され ている 。しかし、韓国食品医薬安全庁(KFDA)に提出された文書によれば 、Aquafilling®の正確な構成成分は2%のアクリルミド /N,N’-メチレンビスアクリルミド共重合体及び98%の生理食塩水である。
これまでに パラフィン、 液体シリコーン、ポリアクルミドゲル(PAAG)など の注入物を用いて乳房を増大させる多くの試みが行われてきた [2]。しかし、いずれの注入物でも、 慢性炎症 、異物性肉芽腫による腫瘤 、場合によっては 、皮膚潰瘍形成といった何らかの合併症が確認されている 。米国食品医薬局( FDA)は、これを理由として 、豊胸を目的とした充填剤の使用を認可していない[3]。
PAAGを充填剤として注入する豊胸手術が深刻な合併症を引き起こすという報告がこれまでに多数なされている [2,4-6]。具体的には 、局所及び全身の発熱 、乳房腫脹、発赤、乳頭の膨隆 、圧痛及び疼非対称変形 、場合によっては 、授乳能力の喪失を引き起こす可能性がある [7-9]。Shin et al.は、Amazing Gelや Aquamidといった従来の問題あるPAAG充填剤と Aquafilling®は異なると説明したが、その主成分はポリアクルミドそのものであり、 市販されている既存の充填剤と何ら変わない。 また 、結合反応などの物理的特性に一定の変更を加えることで同一の化学成分を変化させる機序に関する説明が、エビデンスが完全に欠如しているとは言 えないまでも曖昧ある。
この点についてKorean Academic Society of Aesthetic and Reconstructive Breast Surgery は、豊胸手術におけるAquafilling®の使用に対し深刻な懸念を表明する。初回の処置から6 ヵ月後までの短期経過観察の結果を考慮すれば、この懸念はなお強まる。初期段階でのPAAG 使用に関する過去の報告では、乳房の忍容性が良好で、移動が生じにくいとされている[10]。しかし、この報告は完全に時代遅れなもので、現在では受け入れ難い内容で顧みられることもない。乳房へのPAAG 注入後晩期に生じる深刻な合併症などを考慮すれば、Aquafilling®が豊胸手術で望ましい結果が得られなかった際の修正における新たな選択肢であるとするのはあまりにも性急な結論であるといえる。KFDA は、Aquafilling®の使用を、顔面のしわ、非対称、形状及び口唇の厚みの一時的な改善に限って認可している。豊胸手術のような、許可された以外の使用法では、必要な量がより多くなることで合併症や患者への危害が生じる可能性があり、そのような場合の治療は容易ではない[4]。Aquafilling®注入後の乳房変形は多くの場合不可逆的で、乳房再建術が必要になることさえある[4]。
Korean Academic Society of Aesthetic and Reconstructive Breast Surgeons は、豊胸手術におけるAquafilling®の使用について、長期間の安全性に関する十分なエビデンスが蓄積し立証されるまで、明白に反対する。また我々は、Shin et al.による予備的な報告に依拠した、未認可の充填剤の商業利用に対しても警告する。新規又は未認可の注入剤のヒトへの使用に際しては、より厳格な基準が適用されなければならない。最高水準の医療倫理だけが患者の健康 を保証することができる。