2005年 11月 16日 (水) 19:05
これまでは、しわ、たるみの治療というと、手術が殆どでした。しかしながら、最近では、切らずに手術に匹敵するほどのかなり良い成果を上げることができるようになりました。これまで発表された機器としては、以下のものがあります。
1)タイタン&ジェネシス
2)サーマクール
3)フラクセル
1)タイタン&ジェネシスは、クテラ社が社運をかけて発表した最新のシワ取りレーザーです。現在、この分野では、全米第一位のベストセラーという実績と人気を誇っております。タイタンは、非常に長い波長を出すチップを皮膚に直接接触させ、冷やしながら照射を行い、熱くなったところで冷却を行います。30−50J程度のエネルギーを放出するので、真皮上層においてコラーゲンの変性が起こります。その治癒の過程を通して、コラーゲンの増生と再編が行われ、シワ、たるみの治療が可能となります。サーマクールに比べ、痛みが少なく、皮膚の美白効果も同時に達成されるといわれております。
2)サーマクール:RF(電気)を用いたシワ、たるみの治療器です。現在、日本では非常に人気があり、ライバルであるタイタンを上回っております。RFは電気なので、深部組織への浸透性がよく、皮膚の真皮を越えて脂肪層まで達します。多くの人が治療効果を実感できますが、何より非常に痛いのが欠点です。美肌効果は期待できず、他のIPL機械やレーザーと組み合わせる必要があります。
3)フラクセル:レーザー治療分野の歴史に残る画期的な機械と期待されております。これまでのレーザー治療は、皮膚に存在するターゲット(シミであればメラニン顆粒、シワ取りであればコラーゲン)を破壊することで効果を上げてきました。これに対してフラクセルは、皮膚自体を新しい皮膚に置き換えるという発想です。針の先ほどの極細いレーザー光を何千発も照射します。その光に照射された部分は皮膚が変性します。この古い皮膚は約1週間前後で新しい皮膚に置換されていきます。この操作を3−5回繰り返すことで、顔全体の古い皮膚自体が新しい皮膚と置換されていくのです。そのためシワまみれの老人の皮膚が、赤ちゃんのような弾力のある若い肌に生まれ変わるのです。この発想の卓越したところは、変性した皮膚の周囲にはダメージを受けていない健康な皮膚を存在させるということです。そのため皮膚の新旧の置換がスムーズに進み、日常生活に支障が全くないということです。これまでもCO2レーザーなどで皮膚を薄く焼き払い、新しい皮膚と置換させるということは行われてきました。しかし、この治療法は白人においては有効であっても、有色人種ではひどい色素沈着や瘢痕の形成を起こすので広く広まることはなかったのです。フラクセルの誕生において、初めてコンスタントなレーザー・リサーフェシングが可能となったのです。
この記事のトラックバックURL
https://s-kyoritsu.com/blog/blog.cgi/KK_1132135543