2005年 11月 5日 (土) 10:50
多くの美容外科では、L型のプロテーゼを使用しております。一番の理由は、手術が簡単だからです。共立美容外科仙台院では、L型のプロテーゼはお勧めしておりません。なぜならば、あまりにトラブルが多いからです。
L型のプロテーゼの第一の欠点は、曲がり易いことです。鼻先は、例えば、うつぶせに寝ると当然曲がります。L型プロテーゼは、鼻先まで来ているので当然曲がります。指先で直すことが出来ることが多いのですが、プロテーゼがぐらぐらして不安定になり易いのです。うっかり鼻が曲がったまま人に会うと非常に不自然な印象を与えます。
また、鼻先のトラブルが多いのが知られております。鼻先の皮膚は、プロテーゼによって、24時間押し上げられております。皮膚は非常に丈夫にできておりますが、月日がたつに従って、次第に薄くなっていきます。そして、血流が阻害され、皮膚の色調が変化していきます。その結果、鼻先の変形、赤み、白色化などが起こります。こうなると取り出すより他に手はありません。どうしてこのような事態に陥るかというと、プロテーゼが異物だということです。自分自身の組織、たとえば、自家移植された軟骨であればこのようなことは決しておこらないのです。
また、触ると直ぐ「ばれる」ので嫌がる人は多いものです。鼻先を誰かに触られただけでL型プロテーゼは硬く触れ、誰でもわかります。だから、L型を入れた人は非常に神経質になりがちです。
上記のトラブルは、術後数ヶ月を経ってからのものですが、抜糸をおこなうまでの間でもトラブルは多いものです。その一番のトラブルは、縫合不全です。L型プロテーゼの鼻中隔に入る部分が縫合部から露出することが多くあります。これは、鼻先を圧迫したまま寝てしまい、L型の足の部分が強く縫合部に押し当てられることから起こります。
当院でも、L型プロテーゼの修正をよく頼まれます。とにかく、患者の満足度が低く、不自然になりがちなのがL型プロテーゼだと思って間違いないものです。
以上のことから、L型のプロテーゼはお勧めできないといえるわけです。
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