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共立美容外科 仙台院 〜スタッフの声をお届けする『キョウリツインフォメーション』〜
2006年 8月 22日 (火) 15:22


鼻の他院修正:L型プロテーゼと骨膜剥離
by 院長

先日も、他院のL型プロテーゼの修正手術をおこないました。自医院のいいところだけ話しているようですが、L型プロテーゼだけは本当に止めた方が良いと思います。特に、骨膜剥離をせず、圧迫固定を十分に行わない美容外科は避けた方が絶対に良いと思います。この患者さんも他院が安いということだけで選んだとのことですが、お金をドブに捨てたようなものです。いや、捨てるだけだと体は痛みませんが、修正手術となると、初回の手術の何倍も難しくなります。この方も鼻筋がぐらぐらしておりました。これは、骨膜をよく剥離せず、皮下にそのまま埋没させることで起こります。そのため、プロテーゼと骨との間に軟部組織が浸入し、プロテーゼが皮下に遊離した状態になっているのです。きっちり骨膜下に固定できていると、他人が触ってもなかなかわかりませんが、これだと誰が触っても直ぐ何か入っているのがわかります。まず、きっちりと骨膜を剥離して、確りと固定してくれる医院を選んでください。また、骨膜剥離を確りしていないと、固定が悪いので、直ぐ曲がってしまいます。特に、L型は、鼻先まで来ているので、曲がり易く、鼻先の形も不自然になります。この方も鼻先が不自然な感じでした。麻酔をして、皮下を剥離していくと、鼻先周囲で非常に強い癒着がおこっており、なかなか剥離できませんでした。これは、鼻先の固定圧迫を確りしていなかったので、瘢痕組織が広範囲に形成されたのだと思います。このため、鼻先が不自然になっていたのだとわかりました。眉間の方まで剥離を丁寧におこない、プロテーゼを摘出しました。随分長く、大きなプロテーゼでした。このため、ウルトラマンのようなイメージが形成されていたことがわかりました。あまり計測をせずにこのような大きすぎるものを入れていたのでしょう。骨膜をよく剥離し、大鼻翼軟骨の摘出に移りました。大鼻翼軟骨は、鼻先から小鼻に広がる大きな軟骨で、鼻の外見を決定する最も重要な軟骨です。特に、粘膜との剥離が難しいのですが、できるだけ微細なハサミで丁寧に剥離していきます。このかたは、鼻先周囲に大きな瘢痕の形成があり、時間がかかってしまいました。大鼻翼軟骨を整形し、摘出した大鼻翼軟骨の一部は、三層に糸で固定します。これでやっと鼻尖形成の準備完了です。計測し、トリミングしたI型プロテーゼを挿入します。きっちり先端が目頭を結ぶラインと眉間の3分の2の高さに来るようにしなければなりません。このような微細な調整は、やはりI型でなければ無理です。曲がりや位置のズレがないかを確認した後、テープで固定します。プロテーゼが動かないようにするのは当然ですが、骨との間に隙間があると、例え骨膜の剥離が完全でも軟部組織の浸入を許してしまいます。また、剥離の後の空間(死空といいます)にも軟部組織が浸入し、太い鼻筋となってしまいます。よく、他院での隆鼻の手術でこのような太い鼻筋の患者さんをみかけます。「うちは手術がうまいので腫れが少なく、圧迫がいりません。」と広告していたら、信用しない方が良いと思います。むしろ圧迫固定を確りしてくれる医院が良心的で医療をよく知っていると考えて間違いないと思います。プロテーゼ挿入後、形成した自家軟骨を鼻先に移植し、固定します。その後、縫合、固定を行ない完成です。I型プロテーゼによる隆鼻手術、大鼻翼軟骨の自家移植による鼻尖形成、小鼻形成手術です。何もこんな難しい修正手術をするのであれば、最初からうちにきてください。最悪でも、骨膜剥離のないL型プロテーゼは止めましょう。これが私の提案です。




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